夏休みに必ず帰れる場所がある。
幼稚園教諭として子ども達との生活をした現場。
ホームカミングで現役の先生方との
食事会と近況報告や現場の若い先生方との時間。
先生方の質問に私なりの今、伝えたい応える時間。
この大きな桜の木の下でそして砂場で遊んだ時間。
祈りのある時間。
自由保育の中で一斉保育時間。
子どもたちは、それぞれ違った花を咲かせる個性的な存在。
一人一人の子どもが、個性的な花を
咲かせる「庭園」が幼稚園。
子ども達の生活は遊び。
遊びのなかで学んでいく時間を豊かにするには・・
保育者に求められるのは
一人ひとりの子どもの理解とその上での支援
現在も園にはゆっくり成長をしていかれる
個性のお子さん達も多く通われている。
むかし・・・
私の弾くピアノの横でずっと年中の時に過ごしていたゆっくり成長している
T君のことを思いだす。
年長になって「森のくまさん」を急に歌いだした
Tくんに
みんなが喜んだ宿泊の日を思い出す。
新米教師は、子ども達の心に
助けられながら保育をしていた。
大人目線ではない子どもの目線は
健常児と障がい児の境界線はない。
その子のできることは、子どもながらにわかっていて
「T君はできるから大丈夫だよ」と
ゆっくり、ゆっくりその子のできることが
増えていくことを
子ども達も
ちゃんとわかっていたのです。
子どもは子どもの目でよく見ているのです。
約20年前
出会った1冊の本のタイトル
ロバート・フルガム氏のエッセイの
題名
「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」
(以下 抜粋....)
人間、どう生きるか、どのようにふるまい、
どんな気持で日々送ればいいか。
本当に知っていなくてはならないことを、
私は全部残らず幼稚園で教わった。
人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく
日曜学校の砂場に埋まっていたのである。
わたしはそこで何を学んだろうか。
何でもみんなで分け合うこと。
ずるをしないこと。
人をぶたないこと。
使ったものはかならずもとの所に戻すこと。
ちらかしたら自分で後片付けをすること。
人のものに手をださないこと。
誰かを傷つけたら、ごめんなさいと言うこと。
食事の前には手を洗うこと。
トイレに行ったらちゃんと水を流すこと。
焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい。
・・・
釣合のとれた生活をすること~
毎日、少し勉強し
少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び
そして少し働くこと。
毎日必ずお昼寝すること。
おもてに出るときは車に気をつけ、
手をつないで、
はなればなれにならないようにすること。
不思議だな。と思う気持ちを大切にすること。
発砲スチロールのカップにまいた小さな種のことを
忘れないように。
種から芽が出て、根が伸びて、草花が育つ。
どうしてそんなことが起きるのか。
本当のことは誰も知らない。
でも、人間だっておんなじだ。